異世界の詩

見習い詩人のエオルゼア冒険記ブログ

エッグハント(前編)

「……なんだろう、これ?」

ある日、グリダニアに訪れた私は、見慣れない装飾で、街が飾り付けられているのを見つけた。
街のあちこちに鮮やかな色で染め上げられた卵が置かれ、壁や柱には、卵を意匠したと思われるモールがぶら下がっていた。

「綺麗……だけど、なんでこんなところに……?」

地面に置かれた卵のひとつを手にしながら、辺りを見回す。
よく見ると、街の人達も、色とりどりな卵を手に歩き回っている様だった。

「エグ、エグ、エグル、エッグルルルゥ~ッ♪」

その時、ミィ・ケット音楽堂の方から聞きなれない掛け声が聞こえて来た。
見ればミコッテの女の人が、周囲に居る人達に楽し気に笑顔を振りまいていてた。

 

「はじめまして、あなたのお名前は? ……そう、イーディスっていうのね! ぜひ、エッグハントのお祭りに参加していって!」

そう言って、彼女、ジリ・アリアポーさんは、両腕を広げて、私を歓迎してくれた。
ジリさんのお話だと、エッグハントと言うのは、昔、彼女が見た夢のお告げに従って、卵に乗って現れるという十二賢者をお迎えするためのお祭りらしい。
祭りの開催中は、賢者への感謝の気持ちを込めて、色とりどりに飾られた卵を集めて、祝うのだという。

「それでね、私、また夢を見たの。宙に浮かぶタマゴから現れたチョコボが、みんなを驚かして、最後にはピカピカの宝石を産む……そんな不思議な夢よ」

そして、その夢を再現すれば、きっと素敵なことが起きるに違いないというジリさん。
でも、流石に宙に浮かぶ卵なんて、どうやって再現すれば良いのかと途方に暮れていたらしい。

「ところが、お友達のノノッタちゃんが、夢で見た通りの、不思議なタマゴを見つけてきてくれたの! きっと、賢者様が贈ってくれたに違いないわ!」

そして、彼女は、是非、その卵を使って、お祭りを盛り上げる手伝いをして欲しいと私にお願いしてきたのだった。

 

「エグ、エグ、エ~グ、エッグラホ♪」

北部森林のハーストミルにやって来た私は、そこで、ジリさんのお友達のノノッタちゃんに会った。
彼女の話では、夢のお告げに従って、宙に浮かぶタマゴに乗って、祭りに参加している人を驚かす役を手伝ってほしいらしい。
それにしても、空中に浮かぶタマゴなんて、一体どこで手に入れて来たのだろう?

「……あれっ? も、もしかして、宙に浮かぶタマゴなんて、怪しいって思ってますぅ~?」

私の訝し気な表情に気が付いたのか、ノノッタちゃんが少し慌てた様子で聞いて来た。
その問いに、頷いて答えた私は、改めて彼女に、何処でこれを手に入れて来たのを聞いてみたところ、どうやら、古代文明の遺物を譲ってもらって、それを装飾したらしい。

古代文明の遺物……それって、旧アラグ文明の遺物なんじゃ……。

思ったよりも大変なものを使っている事を知った私は、果たして、使用して大丈夫なのかと一抹の不安を覚えながら、エッグハントのお祭りに参加するのだった。

2 Responses to “エッグハント(前編)”

  1. (´・ω・`)らん豚 より:

    (´・ω・`)更新来て嬉しいよ。

    (´・ω・`)変わらない面白さだよ。

    1. イーディス より:

      ありがとうございます!
      後編もなるべく早く書くので、もうちょっと待ってくださいね(^▽^)/

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