「ここが、ウルダハかー。砂の都の名前の通り、砂に囲まれてる!」
飛空艇の縁から身を乗り出しつつ、ウルダハの姿を捉えた私は、その豪華な都市に目を見張る。
リムサ・ロミンサを出て、海を抜け、砂漠と荒野を進んで行った先に見えてきた、ウルダハの姿は、堅牢な城砦を思わせる高い城壁と、細部に拘った豪華な意匠、そして、遠くから見てもわかるほど活気に満ちた雰囲気に包まれていた。
「…それにしても、熱いなー…」
リムサ・ロミンサとも違う、直接、陽射しが突き刺さるかのような、ジリジリとした熱さが肌を焼く。
これは、気を付けないと、日焼けしちゃいそう…。
「吾輩が、「不滅隊」の最高司令官、ラウバーン・アルディンだ。さて、要件を聞かせてもらおうか」
ウルダハに着いたその足で、局長と呼ばれる、グランドカンパニーの最高司令官さんに面会し、親書を渡した。
ラウバーンさんは、屈強という言葉がぴったりくるほど、迫力のある人だった。
傍にいた副官の方も背が高いし…なんだか、見上げすぎて首が疲れちゃう…。
親書を受け取った局長さんは、メルヴィブ提督と同じように難しい顔をしていたけど、時期として問題ないと判断したみたい。
了承の旨を、グリダニアに伝えると答え、役目を終えた私を労ってくれた。
強面だけど、怖い人ではないのかなー。
「…ふぅ。お役目完了!」
謁見の間から外に出た私は、一息つくと、ぐいーっと伸びをした。
カヌエ・センナ様から受けた、各国に親書を届けるという仕事はこれで完了!
とりあえずは、しばらくゆっくりできるかなー。
折角だし、ウルダハの観光もしたいしね!
ぐぅぅ…。
それに、おなかも空いちゃった!(笑
謁見の間のある、政庁層から、市街区に降りた私は、とりあえずメインストリートへと向かった。
そこは、道の端に出店が並び、通りの中央では、ミコッテの踊り子さんが、艶やかな踊りを披露している。
…あれ。その踊り子さんに紛れて、ララフェルの女の子が踊ってる…。
んん? なんか、見たことあるような…?
「あ!! オルメカちゃん!!」
「イーディスちゃん!」
そこで踊っていたのは、つい先日、フレンドになったばかりの冒険者、オルメカちゃんだった。
実は、リムサ・ロミンサで、カーくんの事を訊ねて、いろいろと教えてくれたのは彼女だったりする。
「みてみて! 私も、カーくん呼べるようになったよ!」
そういって、カーくんを召喚して見せると、驚き、直後に祝福してくれる彼女。
旅の疲れも吹き飛んだ私は、しばし、彼女との会話に花を咲かせるのだった。