異世界の詩

見習い詩人のエオルゼア冒険記ブログ

ガーロンド・アイアンワークス復活

ミンフィリアさんが、カストルム・セントリに捕らえられているという情報を得た私達は、まずはカストルムの様子を知るため、監視を続けているというアドネール占星台のポルトゥレーンさんを訪ねていた。

正直、ここにはあまり良い記憶が無い。
そもそも、協力して貰えるのかしらという不安を抱えたまま、私達は、ポルトゥレーンさんに会ったのだった。

「ふむ、ヤ・シュトラ殿の仲間だったのか。いいだろう、話を聞こう」

しかし、ヤ・シュトラさんが同行している事が判ると、途端に協力的な態度になるポルトゥレーンさん。
どうやら、2人は知り合いみたいだけれど……なんか納得いかない……。

「ふむ……確かに最近、帝国軍に動きがあったぞ。何人かの捕虜が運び込まれたとの報告を聞いている。斥候の話によれば、金髪の女性を厳重な警備体制で護送していたというが……さすがに、それが尋ね人かどうかまではわからんな」

私達が事情を話すと、ポルトゥレーンさんは頤に手を当てながら、そう答えた。
その言葉に、イダさんが「きっとミンフィリアだ!」と声を上げる。

更にポルトゥレーンさんは、それと同時に帝国の飛空艇が不時着して、捕虜らしき者が脱走したという情報を教えてくれた。
報告によれば、ルガディンとララフェルで、ともに、ガーロンド・アイアンワークスの制服を着た技術者風の者だったという。

それって…。

「間違いない、ビッグスとウェッジだ! よかった……あいつら生きていたんだな……イーディス! ヤツらもいっしょに助ける訳にはいかないか!?」

私と同じように2人の事を思い出したであろうシドさんが声を上げ、私に問いかけてくる。
もちろん、2人とも大事な仲間だし、見捨てるわけにはいかない。

私達は頷き合い、2人を救出するために行動を開始したのだった。

 

それから、私は、不時着の様子を見ていたというゼーメル要塞の衛士さんと、現場への偵察を行ったというオーラムヴェイルの衛士さんに話を聞いて回った。
どうやら、飛空艇自体は、すぐに復旧して飛び去ったみたいだけれど、何人かの帝国兵が降り立ち、なにかを探して右往左往していたらしい。
恐らく帝国兵が探しているのは、ピックスさんとウェッジさんに違いないと確信した私は、雪原に残る、真新しい足跡を辿って行ったのだった。

「……見つけた! ウェッジさん!!」

足跡を辿って行った先、小川に架かる橋の下で、寒さと恐怖に震えて身動きが取れなくなっているウェッジさんを発見した私は、彼の背中を叩きながら声を掛けた。

「ひゃぁぁぁぁ!! たたた、助けてッス!? あああ! イーディス! ……あぅぅ、怖かったッス!」

驚きの声を上げたウェッジさんは、私の顔を見るなり安心したのか、その場に脱力するように崩れ落ちた。
私がビックスさんの事を聞くと、ウェッジさんは俯いたまま、彼が囮になって、帝国兵を引き付けて逃げて行ったと溢した。

『……俺だ、シドだ。どうだ、ヤツらの情報は、何か得ることができたか?』

その時、シドさんからリンクパールで連絡がきた。
私が、ウェッジさんを見つけた事を伝えると、とても喜んでいたけれど、続けてビックスさんの事を伝えると、自分の方も探しているけれど見つからないと言っていた。
とりあえず、保護したウェッジさんをこのままにしておくことも出来ないので、私達は、ここから西にある、秘跡の塔と呼ばれる見張り塔で、落ち合う事にしたのだった。

 

塔へと辿り着いた私達は、アベリさんという女性の好意で、温かい火と飲み物を頂くことが出来た。
特に、着のみ着のままで逃走してきたウェッジさんの凍えはかなりのものだったので、とても助かった。

「……イーディス、お願いがあるッス! ビッグスを助けてほしいッス! ……きっと、あいつは今もひとりで逃走中ッス……」

やっと落ち着いてきたのか、ウェッジさんが私に訴えかけて来た。
もちろん、そのつもりである私は頷いて答える。
それを見て、やっと、ウェッジさんはいつもの笑顔を浮かべたのだった。

塔を出た私は、もしかしたらピックスさんは、ここからホワイトブリムへと抜ける洞窟の方に行ったのかも知れないと聞き、そちらの方へと向かったのだった。

ダラガブの破片が落ちたとされる場所を横切り、洞窟の入り口が見えてきたところで、私は、岩陰に潜んでいるヤ・シュトラさん達の姿に気が付いた。
見れば、彼女らの正面で、ピックスさんが帝国兵に取り囲まれているのが見える。
私は、帝国兵に気が付かれない様に後ろに回り込みながら、ヤ・シュトラさんたちの元へと移動していったのだった。

「イーディス、来たわね……状況は見てのとおりよ、芳しくないわ」

私の姿を見て、ヤ・シュトラさんが声を掛けてくる。
どうやら、もうすでに結構長い時間、ビックスさんはああやって、帝国兵に取り囲まれ続けているらしい。

「ヤ・シュトラ……そろそろヤバイ。寒さと緊張の連続で、彼の体力はもう限界だよ。行ったほうがいい」

何時でも飛び出せるように準備をしながら、イダさんが警告してきた。
ヤ・シュトラさんもその意見には賛成だったようで、こくりと頷いた後、私に視線を送ってくる。

「……イダの言うとおりね。この辺りにどれほどの帝国兵が潜んでいるのか、気がかりではあるけど……行くわよ! ビッグスを助けるわ!」

そうして、私達は岩陰から飛び出し、帝国兵へと襲い掛かったのだった。

 

「た、助かったぜ……ありがとう……っく……」

途中、帝国兵の増援があったものの、なんとか撃退した私達に、ビックスさんが感謝の言葉を伝えてきた。
そして、それと同時に足元をふらつかせるピックスさん。

「まずい、かなり体力を消耗しているわね……私とイダで彼を連れて行くわ。秘跡の塔で落ち合いましょう」

そうして、2人に肩を貸されながら歩いて行くピックスさんの姿を見送りながら、私は、自分にもう少し身長があれば……などと、栓の無い事を思うのだった。

 

「よかったッス……ビッグスが帰ってきたッス……えぐ……えぐ」

秘跡の塔へと戻った私達の姿を見て、ウェッジさんが感極まった様に涙を零していた。
ピックスさんも、流石に堪えているのか、そんなウェッジさんにいつもの様に激を飛ばすことも無く、苦笑いを浮かべていた。

「ウェッジ! ビッグス! お前たち、よく無事で! 来るのが遅くなって悪かったな」

その時、シドさんが勢いよく扉を開けて入って来た。
シドさんの姿をみて、一瞬、キョトンとした表情で動きが固まるピックスさんと、ウェッジさん。
次の瞬間、2人は転がる様にシドさんに駆け寄ると、力が抜けた様にその場で膝を折ったのだった。

「親方ぁぁぁ、シド親方ぁぁぁ! えぐ、えぐ、親方も生きてたッスぅぅぅ……」
「……心配しましたよ、シド親方。でも、無事でよかった……」

 

3人にとって、この再会は、5年ぶりになるもの。
しかも、その別れ方が、第七霊災による生死不明の行方不明ともなれば、ピックスさん、ウェッジさんの心痛は計り知れないものだっただろう。
それがいま、この時に、報われたのだと思うと、思わず私も目頭が熱くなってしまうのだった。

 

「それにしても、お前たち、これまでどうしてたんだ。砂の家が襲われた時、何があった?」

しばらくして、やっと落ち着きを取り戻してきた2人に、シドさんが襲撃事件の事を聞いた。
2人によれば、当時、砂の家の外で機械の調整を行っていたところへ、突如現れた帝国兵に襲われ、成す術もなく捕らえられてしまったのだという。

「でも、ベスパーベイへの経路は、不滅隊が駐屯しているんだよー。そんなに簡単に突破されるなんて……」

そう言って、納得いかないとばかり首を傾げるイダさん。
それに対して、恐らく、アシエンの協力があったのだろうと、ヤ・シュトラさんは推測していたのだった。

それから、帝国軍の飛空艇の貨物室に押し込まれた彼らは輸送され、ミンフィリアさん達がカストルム・セントリで降ろされたのを見届けたのだという。

「カストルム・セントリ……それで、お前たちは、どうやって脱出してきたんだ?」

そう問われた2人はニヤリと笑みを浮かべると、飛空艇を乗り換えさせられたときにちょっとした細工をして、不時着した隙に逃げ出したのだと自慢げに語っていた。
その様子に笑い声を上げる彼らの姿に、私は、どこか安心感を覚えるのだった

「よし、これで、ガーロンド・アイアンワークスの再始動ってわけだ! 野郎ども、気合入れていくぜ!」
「オー!!」

そうして、3人の鬨の声が、秘跡の塔に響き渡たったのだった。

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