異世界の詩

見習い詩人のエオルゼア冒険記ブログ

カストルム・メリディアヌムを突破せよ

ガレマール帝国軍要塞、カストルム・メリディアヌム。
そこは、帝国がエオルゼアの各所に築いた要塞の中でも、最大級の大きさを誇り、その最深部には、帝国軍第XIV軍団の司令部を内包する、魔導城プラエトリウムが存在している。
本来であれば、モードゥナ地方にあるカストルム・セントリと魔導列車で繋がる事で、お互いに増援を送り合えるが故の、難攻不落の要塞だったのだけれど、双蛇党による輸送路の分断に成功した今夜は、その増援は送られては来ない。

「ここが、カストルム・メリディアヌム…」

同盟軍本隊の突撃に合わせて防壁内部への侵入に成功した私は、正門から離れ、警備の手薄そうな場所へと回り込んだのだった。
とは言うものの、それでも決して少なくない警備兵の姿が見える。

「みんな、準備は良いですか?」

私は、そう言いながら後ろを振り向いた。
そこには、今回の侵入作戦の為に編成された、冒険者選抜部隊の姿があった。

タンクのモニカさん、ラムダさん。
ヒーラーのオカさん、ベルさん。
アタッカーのフロートさん、ゾルさん、ヒロさん。
そして私の、8人で編成された部隊だ。

流石に、みんな緊張した面持ちだったけれど、それにのまれてしまっている人は居ない様だった。
私は、頷き返してくるみんなを確認すると、潜入作戦の決行を決断したのだった。

 

侵攻を開始した私達を待ち構えていたのは、カストルム・メリディアヌムの警備隊らしき部隊だった。
本隊ほどの規模ではないにしても、それでもかなりの数が配備されていた上に、警報が鳴り響き、次から次へと増援が溢れてくる。

「警報装置を止めるんだ!」

誰かが、そう言うと同時に、バリケードと共に置かれていた警報装置を止めた。
それと同時に、けたたましく響いていたサイレンが止む。
そのお陰か、警備兵の増援は止まったけれど、おそらく、一時的なものに違いないと判断した私達は、今のうちにと奥へと足早に進んで行ったのだった。

 

「…行き止まり!?」

しかし、私達の侵攻は、カストルム・メリディアヌムの内壁によって阻まれてしまった。
固く閉ざされたゲートは分厚く、生半可なことではこじ開ける事も出来なさそうだ。

「どこか、別のルートは…」

そう呟きながら、周囲を見渡してみるものの、他に道は無さそうだった。
その時、突如、右手のゲートから大きな駆動音が聞こえたかと思うと、ゆっくりとゲートが開くのが見えた。
全員が身構え、警戒をする中、そこから姿を現したのは、魔導アーマーを中心とした部隊だった。

「みんな、散開して!」

私はすかさずそう声を上げると、みんなにひと塊にならない様に告げた。
魔導アーマーと一緒に現れた帝国兵も油断できないけれど、やっぱり、魔導アーマーの砲撃は脅威だ。
その一撃で、全てをひっくり返される可能性がある以上、最大限に警戒する必要があった。

その後、波状的に警備兵が駆けつけてきたり、魔導リーパーが現れたりして、かなり危ない一面もあったけれど、タンクの2人がしっかりと敵を分散させつつ引き付けてくれたおかげで、何とか、全ての帝国兵を倒すことが出来たのだった。

 

「おいおい……相変わらず魔導アーマーに容赦がないな」

その時、後方待機している筈のシドさんが姿を現した。
どうやら、居ても立ってもいられなくなって、我慢できずに私達の後を追いかけて来たらしい。

「帝国軍の通信を傍受していたんだが、俺たちの標的アルテマウェポンの位置がわかった。このカストルム・メリディアヌムの最深部に、特殊兵装の整備施設、通称工房がある……アルテマウェポンはそこだ」

私達が行動不能にさせた魔導アーマーの様子を伺いながら、シドさんがアルテマウェポンのある場所を教えてくれた。
しかし、そこに至る道は、高出力魔導フィールドと呼ばれるもので囲まれているらしい。

「……あの、シャボン玉のようなのがそうなのですか?」

シドさんの言葉に、私は内壁越しに見える、巨大な泡の様なものを見上げながら呟いた。

「そうだ。工房に潜入するには、あのフィールドを解除する必要がある」

そう言いながら、私の言葉を肯定したシドさんは、小さく、これなら直ぐに修理できるなと呟きながら立ち上がった。

「見ろ、あそこに廃棄物の放棄口がある。あれは、この下の廃棄物処分場に繋がっている。おそらくその先に、フィールド発生装置へ燃料の⻘燐水を送る設備があるはずだ。燃料の供給を阻止できれば、魔導フィールドの1つを解除できるだろう」

シドさんが指し示した先を見ると、なにかのハッチの様なものが、壁沿いに設置されているのが見えた。
どうやら、あそこから奥へと侵入できるみたい。

「お前は放棄口を使い、先に⻘燐水汲上場へ向かってくれ。俺はこいつを修理したら、すぐに駆けつける!」

そう言って、魔導アーマーを見下ろすシドさん。
どうやら、シドさんは魔導アーマーを修理した上で、暴れまわるつもりらしい。
シドさんを1人残していくことに、ちょっと抵抗があったけれど、心配ないと言い切るシドさんの言葉を信じて、私達は、放棄口から奥地へと侵入して行ったのだった。

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