異世界の詩

見習い詩人のエオルゼア冒険記ブログ

ガイウス討伐戦

「英雄……それもまた偽りの偶像。我が討ち破ってくれる!」

漆黒の王狼の二つ名を持つガイウスは、その黒い鎧を、金色に染め上げ、私達に襲い掛かって来たのだった。

流石に、ガレマール帝国第XIV軍団軍団長の実力は、これまでの敵将達とは比較にならない程高かった。
リットアティンよりも細い腕からは、リットアティン以上の剛剣が繰り出され。
リウィアよりも重そうな脚は、リウィア以上の脚捌きを見せ。
ネロよりも簡素に見える装備は、ネロ以上の頑強さを誇っていた。
私達は、出来るだけ周囲から取り囲むように戦ったけれど、気が付けは包囲を突破され、後ろに回られては斬りつけられていた。

「強い…」

距離をとって戦おうとしても、あっという間に詰め寄られ、何度も斬りつけられては膝を着かされた。
その度に、回復魔法を受けては立ち上がるを繰り返しながら、私達は戦い続けていく。

 

「やるではないか! ならば……これはどうだ!?」

なかなか倒れない私達を見て、ガイウスは嬉しそうに声を上げた。

「ターミナス・エスト!!」

ガイウスは剣を構えると、目にも止まらぬ速さで、一閃、二閃と剣を袈裟切りに振るった。
その軌跡は青白い光となって、空間に刻み込まれるようにX字を描いたのだった。

しかし、ガイウスの剣閃は、誰にも当たる事は無く、ただ空気を切り裂いただけの様に見えた。
空中に刻まれたX字以外、特に異変の見られない状況に、一瞬、疑問符が頭を過る。
しかし、次の瞬間、ガイウスの行動の意味を、私は身をもって知る事になった。

「…ぐぅっ!?」

充分な間合いの外に居たはずの私は、突如襲ってきた激しい衝撃に、悲鳴を上げる間もなく、後ろに吹き飛ばされた。
そのまま床に叩きつけられ、ぐるぐると回転する視界の端に紅いものが飛び散って行くのが見えた。

ガイウスの使った技は、その前方にある空間そのものを切り裂く技だった。
それは数ヤルム先にいた私をも飲み込み、致命的な裂傷を与えたのだった。

「イーディスさん!?」

誰かの悲鳴のような声が聞こえたけれど、指先一つ満足に動かせない状況に陥った私は、視線を動かす事しか出来ない。
その視界の端に、赤い液体が溢れる様に広がっていくのが見ながら、私は、どこか遠いような鈍い痛みを感じながら、まだ戦い続けているみんなの姿を、茫然と見つめていたのだった。

「…レイズ!!」

その時、みんながガイウスを引き付けてくれている隙を突いて、オカさんが蘇生魔法をかけてくれた。
そのお陰でなんとか立ち上がることは出来るようになったものの、まだ、失った血のせいで体は重い。
私は、オカさんにお礼を告げると、これ以上足を引っ張らない様に、注意深く立ち位置を調整しながら、ガイウスとの戦いを再開したのだった。

 

「うおおおおおお!!」

そこからの戦いは熾烈を極めた。
ガイウスは、ターミナル・エスト以外にも多くの技を使い分け、私達を攻め立てて来た。
そして、彼の金色に輝く鎧は、私達の攻撃の殆どを跳ね返す防御力を誇っていたのだった。

しかし、それでも私達は、ガイウスの技を躱しながら戦い続けた。
じわじわとだけど、確実にダメージを重ねてくる私達に対して、ガイウスが雄叫びを上げながら技を放ってくる、
それに対して当たらないまでも、私達は、その倍の手数で反撃を続けていった。

 

 

「ハァ……ハァ……よもや、これ程とは」

更に戦いを続けて、数十分が過ぎた頃、遂に、ガイウスの脚が止まった。
とはいえ、ガイウスを倒したわけでも、私達が全員行動不能に陥ったわけでもない。

「素晴らしい力だ、冒険者。それこそ、統べる者が持つべき力! だが、その力も使い方を間違えば、無意味なもの……惜しいな」

そう言いながら、剣を収めるガイウス。
どうやら、私達はガイウスに試されたみたいだった。

 

終着点についたのか、重い音を響かせながらリフトが停止すると、ガイウスを身を翻し、先へと続く隔壁の向こうへと姿を消した。
その際、開いた隔壁の向こうに、アルテマウェポンの姿が見えた。
どうやら、あの隔壁の向こうが、工房と呼ばれる場所らしい。

私達は、お互いに頷き合い、最終決戦への覚悟を確認し合うと、ガイウスを追って、隔壁の向こうへと走り込んで行ったのだった。

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