異世界の詩

見習い詩人のエオルゼア冒険記ブログ

閉ざされた心の壁

グリダニアでのシルフ族の一件が解決した後、私は、ミンフィリアさんに依頼されて、トトラクの千獄に現れた、アシエン・ラハブレアの調査を進めることになった。

ウルダハの不滅隊から、東ザナラーンで、アシエンと思われる、仮面の男が目撃されたという情報を得た私は、ハイブリッジと呼ばれる、大渓谷に架かる大橋の周辺で聞き込み調査を開始したのだった。

しかし、調査は空振りが続き、アシエンに、直接繋がる様な手掛かりは得られなかった。
ただ、ラールガーの神符を手にした、アラミゴ人らしき人物が接触してきたことで、なにかしらの関わりがあるのではないかという話になり、私は、南ザナラーンにあるという、アラミゴ人達の集落、リトル・アラミゴへと向かったのだった。

 

「お前は……冒険者か。このリトルアラミゴに、よそ者が何の用だ」

リトル・アラミゴに着いた私は、グンドバルドさんという、リトル・アラミゴの顔役に会った。
しかし、グンドバルドさんの対応は冷たく、仮面の男についても、なにも話すことはないと、にべもない反応だった。

リトル・アラミゴに常駐している、不滅隊の人の話では、集落に住むアラミゴ人達は、みな、外部の人間とは関わり合いを持とうとしないらしい。
言い換えれば、同胞を仲介すれば、もしかしたら協力を得られるかも知れないという事だったけど、私に、アラミゴの人の知り合いは居ないし…。

仕方がないので、私は、一旦、砂の家に戻ることにしたのだった。

 

「……なるほど、調査が行き詰まっているのね。アラミゴの人たちが他⺠族を拒絶しているのは、悲しいことだけど納得できるわ」

それまでの調査の報告を兼ねて、リトル・アラミゴの件を、ミンフィリアさんに相談すると、彼女は頷きながら、そう応えた。

「20年ほど前、アラミゴは、ガレマール帝国の侵略を受け、以来ずっと帝国の属州として占領されている……。流⺠たちは、そんな場所から決死の覚悟で逃れてきたのに、どの国にも受け入れて貰えず、偏見や差別にまみれた生活を強いられている現状は、彼らが心を閉ざすのに十分な理由ね…」

そう言いながら、難しい表情を浮かべるミンフィリアさん。
超える力を持ってしても、心の壁を超えるのは難しいと思っているのかも知れない。

「暁の血盟にもアラミゴ出身の仲間がいるの。彼なら、仲介できる人を知っているかもしれないわ」

そういって、ミンフィリアさんは、ハリベルトさんという人を紹介してくれたのだった。

 

「ああ……まさかアンタの口から、祖国の名が聞けるなんて!」

ハリベルトさんは、アラミゴの名前を聞いた途端、感極まったかの様に声を震わせた。
しかし、同時に肩をガックリと落として、自分自身では、力になれないと呟いたのだった。

なんでも、ハリベルトさんは、かつて、アラミゴ解放軍のメンバーだったらしい。
しかし、今では解放軍を抜けた身であり、解放軍にとっては裏切者に等しいのだという。

「だが、アンタの力になれるヤツを知ってる」

そういう、ハリベルトさんは、クォーリーミルで、アラミゴ流⺠の仲介人をしているという、女性を紹介してくれた。
彼女ならば、きっと解放軍を紹介してくれるだろうという、ハリベルトさんの力強い言葉を受けて、私は、一路、クォーリーミルへと向かったのだった。

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