「どうしました、冒険者の方。我々、⻤哭隊に何かご用ですか?」
南部森林のキャンプ・トランキルへとやって来た私は、ランドゥネルという、鬼哭隊の隊長さんを訪ねた。
なんだか、とっても丁寧な対応をする方で、元海賊とはとても思えない…というのが、第一印象だった。
「なるほど、貴方が副団⻑の言っていた、エオルゼア三大珍味を集めようという冒険者ですね。連絡は受けていますよ」
ランドゥネルさんに、ここに来た理由を説明すると、すでに、話は通っている様だった。
彼によると、この辺りには、巨大な亀の魔物、アダマンタスが生息していて、その卵が、三大珍味の一つに数えられているのだという。
ただ、アダマンタスは、卵に近づくものには容赦がなく、多くの冒険者が挑み、返り討ちにされてきたらしい。
「それでも、ぶっ込む度胸があるというのでしたら……ククク……クククククク……!! てめェの手伝いをしようじゃねェか!!」
突然、笑い声を上げながら、ガラッと、ランドゥネルさんの口調が変わった。
その激変ぶりに、隣に居た部下さんも、すごく驚いた顔してる。
「おうおう、挨拶がまだだったなァ!? 俺ァ、⻤哭隊六番槍隊⻑、ランドゥネルッつーもんだ! 海雄旅団が解散したあと、地元のグリダニアに戻ってよォ。⻤哭隊としてビシバシ活躍してるっつーわけ……あー、ゴホン」
豹変したかのように話し始めたランドゥネルさんは、不意に、我に返ったかのように咳払いをした。
「……私が海雄旅団員だったことは、仲間には秘密ですよ? 真面目で礼儀正しい⻤哭隊の面々に合わせるべく、私はもとの性格を隠しているのですから」
……隣で、部下さんが、もの凄く驚いた顔で凝視していますけど……。
「これが、ベニイロタケ…かな」
ランドゥネルさんの話では、現在は、アダマンタスの大卵に近づこうとする者を阻止するため、多くの鬼哭隊隊員が、その周りに配属されているのだという。
そのため、大卵に近づくことも難しい状況らしい。
「ここからは、私の独り言ですが……この時期、ロウアーパスに生える、ベニイロタケというキノコに、アガリックフライが卵を産み付けていたら大変だなァ。もし、羽化でもしていようものなら、即座に、警備配置を変更しないとなァ」
白々しく、そう言いながら、チラリと私に視線を送ってくるランドゥネルさん。
だから、隣で部下さんが聞いているんですけれど…わざとなのかしら…。
そんなわけで、私は、ロウアーパスで問題が発生していないかを確認するため、ベニイロタケを探しに来たのだった。
「…たしかに、卵が産みつけられているみたい」
ベニイロタケと思われるキノコは、街道から程近いところに生えていた。
かさの裏を確認すると、虫の卵と思われるものが、びっしりと張り付いている。
そして、同時に、なにかの虫の羽音が聞こえて来た。
どうやら、ランドゥネルさんの計画通り、アガリックフライは羽化していた様だ。
私は、素早く立ち上がると、虫退治を開始したのだった。
「……な、なんですって!? アガリックフライが羽化していたのですか!? なんということでしょう! すぐにでも、ロウアーパスの警備を強化せねば!」
アガリックフライを退治した私は、その事をランドゥネルさんに報告した。
それを聞いた彼は、わざとらしく大きな声をあげ、周りに聞こえる様に、警備の配置換えの必要性を口にしたのだった。
「申し訳ありませんが、池の周りを警備をしている部下達に、ロウアーパス付近の巡回にまわる様に伝えて来て貰えますか!?」
そういって、ランドゥネルさんは、私に鬼哭隊の人達に伝言を頼むと、悪い顔になって、こう付け加えて来た。
「……ククク……クククククク……!! さあ、これで誰もてめェの邪魔はしねェ!! アダマンタスの大卵は、沼の北東だ!!」
「ただし、卵を狙う敵は容赦なく襲われるぜ? てめェに度胸があるなら行ってきな!」
……だから、全部、隣の部下さんに聞かれているんですけど……あ、部下さん、聞いてないふりしてる……。
「え!? こんなにおっきいの!?」
沼の周辺で警備していた鬼哭隊の人達に、配置換えを伝え、周囲に隊員さんの姿が見えない事を確認した私は、アダマンタスの巣があると思われる辺りを探索していた。
三大珍味の一つなんて言われているから、見つけるのも苦労するかと思ったんだけど、意外と、すんなりと見つけることが出来た。
それは、木陰に隠されるようにして置かれていたものの、その大きさゆえに、全然隠れていなかったのだ。
「私の背ぐらいあるかしら…」
その巨大な大卵を見ながら、これ、どうやって持っていこうかと思案していると、向こうの方から地響きが近づいてきた。
卵に近づく不届き者に気が付いたアダマンタスが、怒りと共に駆けつけて来たのだ。
私は、心の中で謝りつつ、アダマンタスを殺してしまわない様に気を付けながら、弓を引いたのだった。
「……ククク……ヒャッヒャッヒャ! 本当に持ってきちまうとは、たいしたタマだぜ」
アダマンタスの大卵を抱えながら戻った私の姿をみて、ランドゥネルさんが、心底、愉快そうに笑い声をあげた。
「てめェの「度胸」は、確かに見届けたァ。こいつは俺から副団⻑に送り届けておくぜ」
そう言って、彼は、大卵を預かってくれた。
このまま、持っていけとか言われたら、どうしようかと思っていたので、とても助かる。
「さぁ、さっさと、次の「珍味」を探しに行くといいさ」
「次の珍味の事は、南ザナラーンにある「忘れられたオアシス」……そこの元海雄旅団「ウ・オド・ヌン」に話を聞きなッ!」
そういって、ランドゥネルさんは、南の方を指さしたのだった。
(´・ω・`)あけおめことことだよー。
(´・ω・`)これほどまでの質の高いブログで毎日更新するなんで凄すぎるよー。
(´・ω・`)らんらんが花丸あげるよー。
らんらんさん、明けましておめでとう御座います!
今年も、宜しくお願い致します!
(∩´∀`)∩ワーイ 花丸だ!
ありがとうございます(^▽^)/
これからも、頑張ります!!